アメリカ留学したけどめっちゃ田舎。

留学情報総まとめ かなりぶっちゃけます 2018~

リベラルアーツの自由度と言語能力のクラス

前回算数の授業を取っていた、とお伝えしたが多分人生でもう二度と算数と接触する事はないであろう。数式なぞ私の取るクラスには存在しない。

私の取るクラスを友達に報告すると、必ず一人は「は?なにそれ」的な反応をする人が居る。それだけ意外性のあるクラスが揃っているアメリカのリベラルアーツに乾杯である。

ちなみにintroductionレベルのクラス以外はかなり教授の趣味が前面に押し出されているコースが多い。教授が自らの専門分野をワクワクしながら教える姿を見て、こっちまでモチベーションがもらえる事も少なくない。

コミックを読み解くクラスや絵本を通して「教育学とは何か」と問うクラス、ヨーロッパの料理を勉強するクラスなど色んな変わり種がある。

個人的に面白かったテーマのクラスは言語が文化にどのような違いをもたらすのかを考察するクラスだと思う。アフリカンアメリカンの英語はアクセントなのか、それともイギリス英語の様に英語の種類なのか等をディスカッションしたり、

性別によって話し方・言葉が異なる言語とその文化のジェンダーアイデンティティを話し合う回があったり、資本主義が流行らせた言葉使いについて学んだりしたが、残念ながら記憶から消えかかっている。その中でも一番記憶に残ったのはアメリカの街で行われた調査の話である。

A)ミドルクラスの白人が多く、幼児期から文字を目にする機会が多いコミュニティ

B)ワーキングクラスの白人が多くて幼児教育に力を入れているコミュニティ

C)ワーキングクラスの黒人が多く、子供より大人の都合が優先されるコミュニティ

この3つのコミュニティが研究対象となっていて、コミュニティごとの言語能力の発達を調べたという訳である。まず特徴としてはコミュニティAは比較的BやCより裕福な家庭が多く、夜は子供を寝かしつける前に、本の読み聞かせをしている。

コミュニティBも同じく本の読み聞かせは基本であり、就学前に計算を教えたりする家庭も多いそうだ。一方、コミュニティCでは子供が邪険に扱われるケースが多く、子供達が本に触れる機会もコミュニティAとBに比べるとかなり少ない。その変わり、空想話を子供達同士で話す機会が多い。

この時点でお分かりであろうが、小学校に入って一番成績が良いのはコミュニティAとBであった。面白い事にコミュニティBの子供が小学校でいい成績を修めるのは小学校三年までで、より高い読解能力が求められるにつれ、成績が落ちていく傾向だったそうだ。コミュニティAはというと、小学校卒業以降も高い成績を維持し、目立った成績の低下は見られなかったそうだ。

コミュニティAとBの子供達の読書量は同じぐらいで、両方とも同じ様な育児教育を受けていたそうだが、読み聞かせに決定的な違いがあった。コミュニティBの親は本をただ読み聞かせておしまい、というパターンなのだが、コミュニティAは親がもう一工夫していた。本を読む時に、「この場所にいるってどんな感じだと思う?」等の自分の考え・立場と関連づけさせていたり、外で「あれが絵本で見た○○だよ」という風に実際の身の回りの現象や物と本の内容を繋げていた親が多かったそうだ。

工夫、と書いてしまったが原文では decontextualization と呼ばれていて、読解能力の発達に非常に強い影響を及ぼす事が明らかになったらしい。

コミュニティCはというと、小学校を卒業してからもドロップアウトしたり、家庭の事情や勉学についていけなくて学業を諦める子が出てくるのである。ちなみにコミュニティABCは同じ学区なのだが、その学校はミドルクラスの子供を想定してカリキュラムを組んでいるので、コミュニティCの子供たちは不利な立場にある上、コミュニティABの子供達と比べられる。自分の話を伝える能力と想像力は高いのだが、本をあまり読まなかった為に先生の質問やテーマを理解しづらく、落ちこぼれる傾向が強い。まさにアメリカの闇を垣間見てしまった感じである。

コミュニティの貧富の差や教育レベルなどの問題は個人では解決できないが、コミュニティAとBの違いは興味深い。

つまりインプットだけをすればいい訳じゃなくて、インプットした情報を応用する事が大事なのだ。考えてみると、大学で学んだコンセプトを実際違うカタチで「あの時学んだやつだ!」と応用・発見する事がしばしばある。だが、それが貴重な経験だと気づけたのはこのクラスで学んだからこそかもしれない。

 

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